ママチャリが遅い理由
先日の記事のつづきです。
重たいほうが漕がなくてよいということは、ママチャリのほうが楽なのではないか?という疑問が残ってます。 これにはもう少し説明しなければならないことがあります。
自転車を進ませるときの抵抗ですが、重量mの自転車を時速vで走行させるときに必要な踏力をE1、その時の抵抗(空気抵抗、接地抵抗など)をEとするとき(式a)と、重さの増分をdm、踏力の増分をdE1aとするとき(式b)で、
\[ E = \frac{1}{2}mv^2+E_1 \tag{a} \]
\[ E_a = \frac{1}{2}(m+dm)v^2+(E_1a+dE_1a) \tag{b} \]
昨日の考察では
\[ E = E_a \tag{c} \]
とみなしていました。
ママチャリであれば、空気抵抗は大きくなります。また、接地抵抗もタイヤが太い分大きくなります。なので実際は、
\[ E < E_a \tag{d} \]
なわけです。
また踏力については、サドルの高さ、ハンドルの位置など、効率的に漕ぐ位置関係になっていないため、増えたEaを賄うだけの踏力が出せない状況になります。
なので、ママチャリはスピードが出しにくいのです。
ただ、そこは物理的な考察であって…、例えば競輪選手など、踏力が尋常じゃない場合は、増えたE_aなどもろともせず漕げるわけで、重さを生かして爆走しロード乗りをカモる…なんてこともあります。w
あとは、空気抵抗や接地抵抗の変化量が少なければ、重いほうが巡行がラク…となるので、例えば多少重いロードバイクは、平地であれば走りやすかったりするのです。ただ、その分加速は悪いので、俊敏な動きはできないですけどね。
軽いだけが正義じゃない…ということで、人それぞれ楽しみ方がある…ということで。