すしざんまい社長のネゴシエーション力。
すしざんまいの木村社長が、ソマリアの海賊を壊滅させた…という記事が話題ですね。*1
以前、会社で「ネゴシエーショントレーニング」という研修を受けました。一見、相手と分かり合えないような状況でも、踏み込んで話を進めることで解決策が見つけよう…という研修です。
研修では二組に分かれ、相手と合意を取るロールプレイを行いました。その設定とは
あなたは事業用の土地を譲ってもらうように、ある地主に交渉します。ただ頑なに、その地主は土地を譲ろうとしません。何とか交渉してください。
というもの。交渉する側に明かされていない事実。それは、その土地は祖父から譲り受けたものであること。また祖父はとても権威のある研究者だったこと。地主はとても祖父を尊敬していたこと。そんな尊敬する祖父の土地を誰にも渡さない…ということ。そう、金額じゃないのです。その祖父に対する尊敬の念を共有できるかどうかが、この交渉のカギになるのです。うまく交渉した例としては「祖父の銅像を建てましょう」だとか「祖父の名前を(その土地の)施設の名前に入れましょう」だとか。尊敬する祖父が、後世にわたって名を遺すとなれば、土地を譲ることも大いに賛成でしょう。
要は、「一見、ただの頑固者に見えても、彼は彼なりの理由がある」ということ。
また、「彼は彼なりの理由がある」という点は、「アドラー心理学」的にも同じことが言えます。
引きこもりの息子が、なかなか社会復帰できないので困っている両親。一見、何かしらの原因があって引きこもってしまった…ように見えますが、実は「引きこもっている」ことによって、両親の興味を引くことができるから引きこもっている…ということです。
そう、これも「彼は彼なりの理由がある」のです。
そういう懐に入っていける力というのは、ことを前向きに進める原動力ですね。
*1:それはネタだ…とか、事実ではない…とか、反論もあるようですが、ここでは触れません。